1811年ラダイト(機械打ち壊し運動)が勃発します。大量生産により労賃が切り下げられた労働者の抗議のための破壊活動でした。「革命」に怯える政府は活動家を死刑にすることでラダイトを抑圧しようとします(それを批判したのはバイロン卿でした)。
1813年ウェリントン軍がフランス軍を敗走させます。これによってボナパルトのスペイン支配は終焉を迎えます。ボナパルトはエルバ島に流され、イギリスは戦勝に酔います。しかし料理やファッションなど文化面での対決ではフランスが勝利しました。ボナパルトがエルバ島を脱出、ワーテルローの戦いが始まります。戦いは連合国側の勝利。戦いが終わり、それと同時にワーテルロー伝説が始まります。勝利の高揚感の伝説と、あまりに多すぎる死者という現実の恐怖とがイギリスの人々を捕えます。さらに、復員してきて社会に適応できなかったり不当に扱われているという不満を持つ人々が増え、戦争終結の不況で失業者が増え、人々の怒りは少しずつ高まっていきます。“上の階層”の人々が危機感を抱いたのは、強い不満を持つ人々が「一つの展望(社会の改革)」を共有し始めていることでした。急進派の台頭です。ところが、騒乱が広がることに伴うように、福音派も躍進していきました。良心のうずきを宗教で鎮めようとするかのように。政府は教会建築法で200の教会のために100万ポンドの建築資金を確保します。
王族は軒並み借金まみれとなっていましたが、皇太子と皇太子妃は特にすごいことになっていました。社会には偽金づくりが跋扈します。追い詰められた上流階級は、快楽追求にますますのめり込みます。そこに富裕な者たちが新規参入してきます。しかし古参の者たちは、慣習と“ルール”によって新入りを排除します。