褒め言葉

 古いプロ野球ファンだったら、内容はともかく言葉は知っているであろう「江夏の21球」。私はそれをテレビで見ていましたが、著者はショートのポジションから見守っていました。そもそも9回裏ノーアウト満塁になったきっかけは、著者のエラー(1塁ランナーが盗塁。キャッチャーからの2塁送球を著者が後逸)でした。だからでしょう、緊張のあまり著者はその場面のことはほとんど覚えていないそうです。とにかく「(自分のところに)ボールよ、飛んでくるな」と願い続けていたそうです。ちなみに、スクイズを外すために江夏がカーブの握りのままで突然立ったキャッチャーにウエストボールを投げたプレイは驚愕ものでしたが、彼らは春季キャンプから「こんなこともあるだろう」とその練習をしていたのだそうです。楽天イーグルスの藤田二塁手が「ファインプレーの練習」をするそうですが、「プロのファインプレー」にはやはりそれなりの裏付けがあったんですね。
 著者が指摘する「ムダをムダで終わらせる」ことの重要性も印象的でした。たとえば「3塁にランナーがいる」状況で、キャッチャーがピッチャーに返球するとき、暴投に備えてショートはピッチャーの後方をカバーします。18年間の現役生活で著者はそのプレイをやり続けましたが、実際に暴投があったケースは皆無でした。しかし著者は「ムダだったね。良かったね」と考えます。「ムダは省こう」ではなくて。それは「万一のとき」に敵に一点を与えてしまうからです。想定できるリスクの芽は人間の努力で潰せる限り潰しておかなければならないのです。
 著者は練習の虫で有名ですが、スイッチヒッターになろうと決めたとき、とにかく素振りを徹底的にやったため、ときに手が固まってしまって「バットから手が離れなくなる」状態になってしまった、と聞くと、さすがにあきれます。いや、褒め言葉ですが。

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